
海堂尊の小説。
「バチスタ」シリーズとは違って、田口や白鳥は出てこない。
今回も出来るだけネタバレせずにレビューしていきます。
舞台はとある都内の大病院。
主人公はそこに勤める、30代前半の産婦人科医、女性、既婚。
大学で講師として学生の指導をしていると共に、週一回小さな産婦人科医院に、非常勤としても通っている。
初期設定はこれぐらいで、登場人物もそう多くないのだが、今までの海堂作品の中では、群を抜いて分かりづらい。
半分ぐらい読まないと、物語が見えてこないのだ。
…だからといって、ツマラナいという訳でも無いのだが。
「クール・ウイッチ」と呼ばれる主人公は、閉院することが決まった医院で、最後の妊婦たちの診察を重ねていく。
そしてようやく物語が動き出したところで、そがががはラストを予期できた。
…なるほど、冷酷な魔女だ。
ただ妹は、全く想像付かなかったと言っているから、人によって受ける印象は違うのかもしれない。
物語に投げかけられたテーマは、問題提起としてはあまりに大き過ぎる。
これを素人である読者に考えさせるのは、如何なものかとさえ思った。
今作でも作者は、日本の医療に大きな警鐘を鳴らしている。
そして、よっぽど官僚が嫌いなんだなと改めて感じた。
そして厚生省役人が出てくるバチスタと違って、フォローや反論がない分、一方的な不満の羅列に見えてしまった。
…ここが欠点といえば欠点か。
ちなみに題名の「ジーン」とはGene、つまり遺伝子という意味。
日本語では「ゲン」とかドイツ語の「ゲノム」を使うので、少々分かりづらい。
さて、読み終えてバチスタとの共通点を、そがががは3カ所見つけた。
本筋とは全く関係ないけれど、読んだ人は是非探してみて欲しい。
評価は…難しい。
☆3.0
