三ヶ月後、電車を降りた私の足は、自然とフォームを駆け出していた。
風に吹かれて帽子が飛んでいってしまわないように。
私たちは、二人であの本の7番目の方法を実行中だった。
今日こそは彼より早く着こうと思ったのに、服を選ぶのが予想以上に難航して、気が付けばいつもと同じ時間になってしまっていた。
(それでも約束の時間より、まだ5分早いのだけれど)
いつもと同じ10時25分。
彼の顔を見ると、私は思わず笑みがこぼれてしまう。
その瞬間、その時間は私にとって永遠になる。
人の一生は短い。
宇宙の物差しで測れば、五十年も百年も1ミリにだって満たないだろう。
それならば悠久や永遠も、一瞬と同義。
夢なら、覚めないで欲しい。
けれど現実なら、たとえそれがほんの僅かな時間だって構わない。
その瞬間に全てを込める。
私の恋は一つの区切りを終えた。
それがいつか形を変えて、愛に変わっていったとしても、私の思いは続いていく。
過去、現在……そして未来。
私は恋している。
時をかけて彼に恋していく。
完
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