ストーリーは実に美しいシーンから始まる。
二本の電車が平行線上に走っていく。
その中で、見つめ合う2人…。
そがががも元彼女と、田園調布線と大井町線で経験したことがある。
すぐ近くなのに、何処か遠く感じて、徐々に離れていくのが、何とも切ないのである。
こういうところを、東野圭吾はよく分かっていると思う。
そしてその「平行」な電車と、平行世界(パラレルワールド)が掛かっているのだから、唸らされる。
ストーリーは記憶の再編、つまり過去へと向かっていく。
一人称と三人称の文体が交互に進んでいき、それぞれが補完し合いながら謎を生んでいくという、これまたパラレルストーリーになっている。
そして盛り上がる展開を見せながらも、ラストは呆気ない。
恋も友情も研究もどうなったのか、読者は想像するしかないし、なかなか想像し難い。
最後のセリフがもう少し印象的だったら、傑作だったと思う。
…でも充分オススメの☆4.0。
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
