アクセス解析 カウンター SEO ドリーム愛ランド 「明日葉バトルロワイヤル」[18]
ドリーム愛ランド
日々の出来事を日記に書いていきます。
「明日葉バトルロワイヤル」[18]

□■第三章

気付いたら曽我は駆け出していた。

ウイルス散布までもう一分を切っていたし、何より薄暗く見通しの悪い廊下は気味が悪かった。

昇降口へ向かって一直線に伸びる廊下を突っ走っていく。

故に横にあった不気味な固まりを、危うく見過ごしてしまうところだった。

いや、見過ごしていた方が良かったのかもしれない。

けれども違和感をやり過ごせずに、立ち止まり振り返ってしまう。

その固まりには見覚えがあった。

見覚えのある顔。

立花卓は膝を抱えるようにして廊下の端で転がっていた。

高校二年生の男子。

曽我は担当したことは無かったが、教室でよく見掛ける顔だった。

曽我は事態が飲み込めないまま、一歩近付いて息を飲んだ。

立花の目は焦点を失っていた。

口からは血液と唾液が混じったようなものが垂れている。

顔色は既に土気色だった。

――死んでいる?

曽我は確かめようとして腰を落とし、慌てて手を引っ込めた。

「α種とβ種のキャリアが直接的に接触すると、即座に感染する」という佐々木の言葉がよぎったからだ。

その言葉が事実かどうかは疑わしかったけれども、それを否定する証拠も無かった。

よって今は全てを信じるほかに無かった。

そして、どう考えても立花は生きているはずはないという事実を悟った。

生徒達が出て行ったのは一時間前。

そして立花の手首にはめられていた装置にはアンプルは無かった。

発症後は十数分で死亡する。

確実に発症して、確実に死亡している時間だった。

ブーーーッと校舎内に耳障りな警報が鳴り響く。

おそらくウイルスを散布するという合図だろう。

ぼやぼやしていられる時間はない。

曽我は後ろ髪引かれる思いを断ち切って、昇降口に向かって走り始めた。

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